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Still Wakes the Deep

Still Wakes the Deep レビュー:崩落する海上リグの圧迫感と手探りの逃走劇. 1975年の石油掘削施設を舞台にした一人称視点ホラーだが、アクションの自由度や駆け引きよりも演出された緊迫感を歩いて味わう作風だ。

斬鉄 · 2024年6月19日 · PC版を約6時間プレイ、エンディングまで到達

鈍重な移動と足場の頼りなさ

起動してまず確かめたのは移動の感覚だ。本作の主人公は超人的な身のこなしができる兵士ではなく、北海の石油掘削施設で働く一人の労働者にすぎない。ダッシュの初動にははっきりとした重みがあり、ジャンプの高度も控えめだ。鉄パイプをよじ登ったり狭い梁を渡ったりする際のアクションも、軽快さとは無縁で、身体を必死に持ち上げるような独特の硬直を伴う。

足場を踏み外せばそのまま冷たい海へ叩き落とされるような高所ばかり歩かされるため、この入力に対する鈍さ自体が緊張感を生んではいる。ただ、段差を乗り越える際のアタリ判定や梯子をつかむ判定がやや大雑把で、もう少し素直にこちらの入力へ追従してほしいと思う瞬間があった。キーボードとマウスで遊んでいても、旋回の慣性が強めに残る調整だ。

崩れかけた鉄骨の足場を慎重に渡りながら先へ進む場面。
崩れかけた鉄骨の足場を慎重に渡りながら先へ進む場面。

反撃手段のない逃走と隠密の割り切り

施設内を徘徊する異形の存在に対し、武器を使った迎撃は一切できない。プレイヤーにできるのは身を屈めて隠れるか、物を投げて注意を逸らすか、あるいは見つかったら死に物狂いで逃げることだけだ。敵の索敵範囲や視線は比較的アバウトで、遮蔽物に張り付いていれば理不尽に見つかるケースは少ない。

一方で、追跡劇のシークエンスはかなりレールが敷かれている。正しい退路へ向かって走り、障害物をスライディングで抜け、指定されたハッチを閉めるといった一連の流れは映画的な迫力がある。だが判定の厳密さで勝負するタイプのアクションではなく、規定の手順をなぞる感覚が強い。捕まった際の判定も、接触した瞬間に即死演出へ移行するため、ギリギリで身をかわすような回避の駆け引きを期待すると肩を透かされる。

狭い船内通路に身を潜め、怪異の気配をやり過ごす。
狭い船内通路に身を潜め、怪異の気配をやり過ごす。

閉鎖空間としての説得力と日本語テキスト

舞台となる掘削施設ベイラDの構造美は群を抜いている。錆びた鉄板の質感、激しい波しぶきが外甲板を叩く音、暗い浸水区画を泳ぐときの視界の悪さなど、現場の空気感は極めて生々しい。スコットランド訛りの英語音声が飛び交う中、日本語の字幕とインターフェースが過不足なく用意されているのはありがたい。専門用語が多い現場の会話も意味を取り違えることなく追える。

ただ、道中で要求される作業はレバーを引く、バルブを回す、スイッチを入れるといった単調なインタラクトの繰り返しに終始しがちだ。施設が破壊されていくダイナミズムに反して、手元で行う操作そのものは極めて受動的で、ギミックを解く快感や操作の手応えは薄い。探索可能なエリアもほぼ一本道に制限されている。

約6時間の尺と価格のバランス

エンディングまでは公称通りおよそ6時間で到達した。価格は975円と手頃で、この規模のシナリオホラーとしては手が出しやすい設定になっている。引き延ばしを感じるような無駄な往復移動は少なく、リグが崩壊していく過程を一気に駆け抜ける構成は好感が持てる。

アクションゲームとしてシビアな立ち回りを突き詰めたい人間には物足りなさが残る。敵との間合いを計る面白さや入力への機敏なレスポンスはなく、あくまで用意されたシチュエーションの恐怖に身を任せるアドベンチャーだ。それでも、逃走劇の舞台としての石油掘削施設というロケーションは唯一無二の存在感を放っている。

激しい嵐と荒波に晒される掘削施設の外観。
激しい嵐と荒波に晒される掘削施設の外観。

関連レビュー

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コメント 15

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★ 人気コメント

まっつん6月23日 12:33

最初のリグ崩落シーンで声出たわ。爆発とか炎のエフェクトが派手すぎて、そこで一気に引き込まれた。梯子の当たり判定はアホやけど、そんなん気にならんくらい雰囲気がええ。975円でこの映像体験はお得やと思う。

かき揚げそば6月28日 13:21

雰囲気が良ければ操作感の粗さを許容できるというのは分かります。ただ、追跡中に梯子の判定で引っかかって死ぬと、せっかくの緊張感がそこで切れるのは事実です。あれはプレイヤーの操作ミスというより、ゲーム側の当たり判定の問題ですから、一本道の構成だと特に目立ちますね。とはいえ、975円という価格を考えれば十分元は取れるという判断も理解できます。

†紫苑†6月21日 11:55

スマホ出ないのかな?移動中に進めたいのに。あと追跡パートってどれくらいあるんですか?一本道ならせめて難易度調整してほしいんですけど。レビューで梯子がどうこうって見て、ちょっと不安になってます。

きつねうどん6月19日 17:26

レビュー拝見しました。975円で6時間ならコスパは悪くなさそうですね。ただ自分の中ではウィッシュリストに残しても半額待ち安定なんで、今回は見送りかな (´・ω・`)

栄のタケシ6月19日 19:55

@きつねうどんきつねさん、半額待ちも分かるっちゃけど、この値段やったら即買いしても損はせんと思うよ。ワシもまだクリアしとらんけど、海上リグの閉塞感はすごい良か。ただ梯子の判定は確かに大味で、操作にストレス感じる人もおるかも。でもホラー作品としては及第点やけん、気が向いたらやってみてね。

naoki7146月22日 02:13

@きつねうどん半額待ちの気持ちは分かる…自分もSteamレビュー欄を見てるけど、梯子の判定の書き込みが想像より多くて…確かに今すぐ買わなくてもいいかなって思ってる…この手のホラーってセール来る頃には熱が冷めてることも多いから、難しいところだな…

かき揚げそば6月19日 20:26

個人的には反撃できない緊張感は好きなんですが、追跡パートが完全にレールの上を走らされてる感があってそこはちょっと気になりました。梯子の当たり判定の甘さもかなり雑で、遊んでて普通に引っかかるレベルなのは惜しいです。とはいえ975円で約6時間なら、値段分はしっかり楽しめました。

shot116月19日 22:05

@かき揚げそばkachan46さんの仰る通り梯子の判定は気になるところですね。あと難易度の高さはどんな感じですか?私のようなアクションが苦手な人間でもなんとかクリアできますでしょうか?

どうしよ6月19日 21:05

映像は確かに綺麗そうだねw こんな閉鎖空間のホラーは自分には無理だわw

トースター56月19日 22:02

まず照明の表現がやばい。海上リグの夜のシーンとか、照明が揺れて影が動くところ、本気で鳥肌立った。雨粒のエフェクトも細かい。 でもなんで梯子の判定がこんなにゆるいんだろ?緊迫感を削いでる。しっかり掴めよって思った。あと逃げるときのコースがワンパターンすぎない?せっかく雰囲気いいのに、そこが惜しい。価格と時間はちょうどいいから、ライトホラーとしては及第点かな。

漆黒の零6月20日 06:49

定価975円なら安い。とりあえず買ってみる。

なんとなく6月20日 07:12

6時間で終わりました。普通に面白かったです。

尾道のヒデ6月20日 14:28

・PVの雰囲気は抜群 ・梯子の登り降りがダルい ・追跡イベントが一本道で緊張感不足 映像は良いけどゲームとしては平凡でした。

すずめ4号6月20日 14:53

リグの錆びた金属の質感とか波のグラフィックがすごくて、歩いてるだけで空気の冷たさまで伝わってくる感じでした。足場の判定とか操作性はおおざっぱだけど、あの景色を見ながらウロウロできるなら975円は安いです。

†紅蓮の翼†6月21日 07:52

レールとか言うけど、追跡パートは決められたルートを走るだけで迷わんからこれでええやろ。梯子の判定が大味なんも、変にシビアで死にまくるよりはストレスないわ。アクションの駆け引き求めるゲームやないし、975円でこの臨場感なら自分は満足やけどな。

†紫苑†6月21日 11:55

スマホ出ないのかな?移動中に進めたいのに。あと追跡パートってどれくらいあるんですか?一本道ならせめて難易度調整してほしいんですけど。レビューで梯子がどうこうって見て、ちょっと不安になってます。

まっつん6月23日 12:33

最初のリグ崩落シーンで声出たわ。爆発とか炎のエフェクトが派手すぎて、そこで一気に引き込まれた。梯子の当たり判定はアホやけど、そんなん気にならんくらい雰囲気がええ。975円でこの映像体験はお得やと思う。

かき揚げそば6月28日 13:21

@まっつん雰囲気が良ければ操作感の粗さを許容できるというのは分かります。ただ、追跡中に梯子の判定で引っかかって死ぬと、せっかくの緊張感がそこで切れるのは事実です。あれはプレイヤーの操作ミスというより、ゲーム側の当たり判定の問題ですから、一本道の構成だと特に目立ちますね。とはいえ、975円という価格を考えれば十分元は取れるという判断も理解できます。