目的もルールも置かれていない巨大な交流箱
普段から資源の管理や都市の動線を眺めるゲームばかり遊んでいる身からすると、最初に放り出されたときの戸惑いは大きかった。本作には決まった攻略目標も、倒すべき敵のウェーブも存在しない。基本無料のタイトルとして配信されており、起動すると日本語のインターフェースが出迎えてくれるが、音声のナビゲーションなどはない。プレイヤーができるのは、誰かが作ったアバターをまとい、誰かが作った空間へ移動することだけだ。
システム側が用意した遊びのサイクルはなく、ログインした人間がその場で何をするかにすべてが委ねられている。鏡の前に集まって立ち話をする者もいれば、バーのカウンターに入って客役に酒を配る者、あるいは戦闘機に乗って空戦を始める者もいる。プレイヤーの滞在時間と制作意欲そのものが燃料となって世界が維持されているような構造だ。

操作機器と視線が生み出す独特の距離感
本作はVR機器がなくても通常のPC画面とキーボード、マウスだけで動作する。だが、機器をかぶったプレイヤーと同じ空間に立つと、相手の頭の傾きや手の動きがリアルタイムに伝わってくるため、画面越しのチャットとは明らかに違う圧迫感や親密さがある。指先の動きや全身の動きを拾う機材を揃えている人間ほど、身振りの情報量が増えてこちらの立ち位置を自然と意識させられる。
この情報量の多さは、見知らぬ他者とやり取りするときにも強烈に効いてくる。可愛い姿形のアバターから野太い声が飛んでくる光景には初日で慣れたが、近づかれすぎると反射的に後ろへ下がりたくなる。空間の広さに対して人の密度が高くなると、会話の音声があちこちで重なり合い、誰が誰に話しかけているのかを拾うだけで神経を使う。

コンテンツの循環と検索まわりの目詰まり
ゲーム内のコンテンツはほぼ無尽蔵だ。店舗経営の真似事ができる場所、無重力のカートレース場、あるいはただ星空を眺めるだけの静かな部屋まで、探せばいくらでも見つかる。誰かが作った空間に人が集まり、それを見た別の誰かがまた新しい遊び場を仕立てていく流れがしっかり根づいている。日本のSteam売り上げでも上位に入っており、利用者の熱量は非常に高い。
一方で、この膨大な集積から目当ての場所を掘り出す作業にはストレスが伴う。最近のストアレビュー欄を見ると評価が大きく落ち込んでいる期間もあり、ユーザーの受け止め方は一枚岩ではない。良質な空間を探して移動しようにも、目当ての場所にすんなり辿り着けないと、それだけで移動の手が止まってしまう。遊ぶための導線が外側の整理不足で詰まるのはもったいない。

居場所を見つけられるかで評価が割れるプラットフォーム
ゲームとしての手応えを求めて入ると、最初の数時間で立ち往生する可能性が高い。フレンドと合流して決まったグループに所属できれば、毎晩ログインしてだらだらと話すだけでも時間が溶けていくが、単身で飛び込んで適当な空間をさまようだけだと、他人の輪の外側を延々と歩かされる寂しさを味わうことになる。
良くも悪くも、遊ぶ側のコミュニケーション能力と好みのコミュニティを探し当てる根気が試される。他人が作った土台の上で自分の遊び方を組み立てられる人には何千時間でも吸い取られる場所になるはずだが、提示された課題を順番に片付けていきたい気分のときには向かない。割り切って観察者として歩き回るだけでも、ネットの奇妙な生態系を眺める面白さは確かにある。





コメント 1
人気順新着順★ 人気コメント
検索が弱いってのは本当だしなぁ…ワールド名で引っかからなくて彷徨うこと多いし ローグライクばかりやってる身からすると目標がないのが逆に新鮮で…いいかも… アバター弄ってたら朝になってたとかザラだし のんびりやればいいじゃない… ただひとりで入ると放置されるのも事実だなぁ 48にもなって輪に入る勇気いるわ… Quest版のフレンドも増えたけどSteam版の方が重いワールド入れるしなぁ… 深夜3時のロビーで知らん人と座ってコーヒー飲んでる気分になる瞬間だけは悪くない そうかも…
検索が弱いってのは本当だしなぁ…ワールド名で引っかからなくて彷徨うこと多いし ローグライクばかりやってる身からすると目標がないのが逆に新鮮で…いいかも… アバター弄ってたら朝になってたとかザラだし のんびりやればいいじゃない… ただひとりで入ると放置されるのも事実だなぁ 48にもなって輪に入る勇気いるわ… Quest版のフレンドも増えたけどSteam版の方が重いワールド入れるしなぁ… 深夜3時のロビーで知らん人と座ってコーヒー飲んでる気分になる瞬間だけは悪くない そうかも…